三角持ち合い・三角保ち合いともいうのですが、もみ合い相場(レンジ相場)になってくると起こることのあるチャートのパターンです。
もともと、もみ合い相場からの抜けで稼ぐというのはよくあるパターンですが、この三角持ち合いはもみ合い相場の中でも重要となってきます。というのも、かなり高い確率で予測が可能だからです。このチャンスを逃すわけにはいきません。
ところで、さらっと「もみ合い相場の中でも三角持ち合いは重要」といいましたが、そうです、三角持ち合いはもみ合い相場の時に見られるパターンなんです。
レンジ相場からの三角持ち合い
まずはここで言葉の定義をはっきりさせましょう。
レンジ相場=もみ合い相場
です。
聞いたことがあるかもしれませんが、「相場の7割はレンジ相場」といわれています。
では、残りの3割はというとトレンド相場です。相場は大きく分けて「トレンド相場」と「レンジ相場」の2種類に分けられます。
この「トレンド相場」「レンジ相場」をとってみてもすべてが全く同じ調子というわけではなくその相場の中にも動きがあります。
「トレンド相場」を見てみると、トレンドの誕生、中盤、終盤と相場の動き方が違います。何をもってどの段階かを判断する際の一つの基準は、「ボラティリティ」です。
「ボラティリティ」とは、価格の変動率のことで、一定期間中に、為替レートがどのくらい上下に動いたかを数値で表したものです。「レンジ相場」ではボラティリティが低く、相場が激しく動いているときは「ボラティリティ」が高いということになります。
【ボラティリティから見る流れ】
高 トレンドの誕生
↓
中 中盤
↓
低 終盤
トレンドが誕生するときは、強い力が働くということからもわかると思いますが、ボラティリティが高く、そこから徐々に低くなっていくのが通常の動きです。
一旦低くなったボラティリティが、再度高まりトレンドが継続する場合であっても、一度誕生した「トレンド」は一旦収束し、それに伴いボラティリティは低くなります。これは、相場の原理原則です。
ボラティリティが低くなってくると、ここで「レンジ相場」の登場です。
「レンジ」はトレンドの収束期に発生します。ということは、レンジに入る前には必ず「方向性」があったと考えてほぼ間違いありません。
相場は予想できないのと同様にレンジ相場がどちらに抜けるかも誰にも予想できませんが、トレンドの方向性と、レンジの種類によっておおよそこちらに抜けるだろうという方向があります。
その方向が一致すれば狙いやすくなって来るというのは理解できますよね。
これが前の冒頭部分で述べた、かなりの高い確率で抜ける方向の予測が可能であるという理由です。
そして、レンジ相場から抜けるときは、相場が大きく力をためていたものがどちらかの方向に放たれるということなので、レンジ直後は利益の伸びも大きい可能性が高いといえます。
レンジ相場の種類
まずは三角持ち合いが出現するレンジ相場の種類を見ていきましょう。
A)ボックス相場 (平行レンジ)
もみ合い相場の時によくみられるボックス相場というのがありますが、これは名前の通りボックスの中に相場が入っている相場です。比較的見つけやすいと思います。
平行の上下2本の線の中に相場が入っている状態です。
これは、「売り」と「買い」が拮抗している状況です。レンジの上限になってくると、売りが強くなって、レンジが下限になってくると、買いが強まる。「売り」と「買い」が互いに綱を引きあっているのをイメージしてもらうとわかりやすいです。市場参加者の心理が拮抗しています。
「売り」と「買い」の力の差がない状況から最終的にどちらにぬけていくか?を予測するのは、丁か半か?と同じくらい難しいです。そして、いつレンジから抜けるのか?もはっきりいって分かりません。
ではどうすればいいのか?答えは「そのうち抜ける」です。
エントリーは、ブレイクを確認してからが確実です。
B) アセンディングトライアングル (上昇三角形)
綱引きでいうと、買いは一定の力で引くけれど、どんどん売りが力尽きていって戻せなくなり、最後に買いにドーンと抜ける感じです。
これは、パターン的には上に抜ける可能性が高いです。
エントリーはどこでするかですが、このブレイク時点か、一旦上限のサポートラインだった線に戻ってからさらに上昇の様子があれば、そこでエントリーをするのが良いと思います。
C) ディセンディングトライアングル (下降三角形)
綱引きでいうと、売りが一定の力で引き戻しているのですが、次第に買いが力つき、一気に売りがドーンと引く感じです。
なので下に抜ける確率が高いです。
一旦下にブレイクすると、そのまま下落するか、しばらく横に這ってから下落が多いかもしれません。
エントリーは、抜けてすぐよりしばらく様子を見て、下落だと判断してからのほうが安心といえます。
D) 三角持ち合い
これは、売りと買いがそれぞれ引き戻す力が強くなっていき、どちらにも引かなくなっている状況です。そうすると、最終的に爆発的な力が溜まっていき、どちらかにドーンと抜ける感じです。市場参加者の心理は、じりじりと売りと買いでせめぎ合って有無を言わせない状況です。
「アセンディングトライアングル」と「ディセンディングトライアングル」はどちらに抜けやすいか予測しやすいケースでしたが、この三角持ち合いの場合は、どっちに抜けるかは五分五分です。
が、その前のトレンドを見ると予測がしやすいかもしれません。ただし、ブレイクしたほうにエントリーすれば流れに乗れるので、結果的にはどちらでもよかったりします。
チャートの検証と予測の大切さ
「予測が大事」な理由は、こう動いたらどうする、ではこう動かずに逆のパターンならどうするかなどとあらかじめ予測を立てておくのと、全く予測をせずにこうなるだろうと推測だけでエントリーをしたときを比較すれば明確です。
予測を立てずに「こうなるはず」(希望・推測)でエントリーしてそのとおりにならなかったときに、初めてどうするかを考える場合、あらかじめ予測をしておいた場合と異なり、焦りと恐怖で正しい判断はできなくなります。
そんな時に陥りがちな状況が、「塩漬け」でしょう。塩漬けで痛い目にあった人も多いのではないかと思います。
そうならないためにも、しっかりとした予測をしていきましょう。
予測をたてるうえで大切になるのが、チャートを正しく読むことです。
リアルタイムのチャートを見て上の説明通りのレンジの種類をその都度初心者が判断していくのは、簡単ではありません。
なぜなら、型通りの三角持ち合いがチャート上に現れることはほぼないからです。変形タイプであったり、若干イレギュラーな動きをするチャートの中で、レンジ相場の上限・下限の値段を見極めていくことが必要になってきます。
常に動き続ける値動きを見ながらチャートの形を探していくのは、すでに出来上がった過去のチャートから該当する形を見つけていくより難しいのは想像がつくと思います。
それだからこそ、これかな?いや、これかな?と多くの通貨ペアのチャートを異なる時間足で見ていき、それぞれの通貨の特徴をしっかりと自分のものにしていくことが大切になってきます。
そうすることで本来の「予測」が可能になってくるわけです。
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三角持ち合いのまとめ
FXでのレンジからの三角持ち合いは稼げるか?
結論からいうと、稼げます。ただし、あなたがチャートを読めればということです。
過去チャートでひたすらに三角を探してください。
受験勉強を経験したことのある方であれば、受験でいう過去問です。
見出し
1. 同じようなパターンを予測して、動きを何度も検証していく。
2. 各パターンごとにエントリー、損切、利確のルールを作っていく。
過去のチャートで検証を一通り終えたら、実際にリアルチャートでやっていきます。
3. 実際のチャートを見ながら、どっちにどう動いたかを検証する。
これをひたすら繰り返せば、あなた自身の三角持ち合いの定義が生まれてくるはずです。
三角を見つけて稼いでいきましょう!