この記事で解決できる悩み
- FXって失敗したら借金をしてしまうものなの?
- FXで失敗して借金を負いたくない
- FXで借金した失敗談が知りたい
この記事で解説する「FXで失敗する4つの原因」を理解すれば、FX初心者でもFXで借金しないための対策が判ります。
なぜなら、私も「FX=失敗したら借金」というイメージを払拭し、借金する原因と対策を知りたいという悩みを解決できたからです。
それでは、以下で「FXで借金する4つの原因と対策」について紹介します。
【前提知識】FXとは
FXはあくまで投資であり、上がるか下がるかを二者択一で当てにいくギャンブルではありません。
初心者がなんとなくで手を出すと大損する可能性が高くなるので、FXについて勉強してから取引を始めましょう。FXについてはこちらの記事をご覧ください。
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FXとは?あなたが安心して投資するために必要な基礎をやさしく解説
FXとは?ドルやユーロなど海外の通貨を売買して儲ける取引のことをFXと言います。簡単に言えばドルが上がるか、下がるか予想するだけです。FXを始める上で、最低限知っておくべき基礎知識があります。ここでは初心者にも分かりやすくFXの基礎知識を14項目にまとめて紹介します!続きを見る
具体例:FX取引の具体例
FXの具体的な取引例として、アメリカに旅行する時を思い浮かべてください。旅行に行く前に、為替レートが1米ドル=100円のときに1米ドル買ったとします。
旅行が終わり、為替レートが1米ドル円=110円になっているときに日本円に戻すと、旅行へ行く前より10円増えますね。
このレートの変動を利用して利益を狙うのがFXなのです。
レバレッジと証拠金
FXには、証拠金を担保として最大25倍の金額で取引できるレバレッジがあります。
証拠金とは、FX取引を行うためにFX会社に預け入れるお金です。また、レバレッジとはてこの原理を使い、証拠金以上の金額が取引できる仕組みをいいます。
レバレッジの詳しい説明はこちら
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低資金で利益を狙える仕組みとは?|FXのレバレッジと必要な証拠金
FXの特徴であるレバレッジ。元手を担保に架空のお金にかえる魔法のようなシステムですが、ハイリターンには常にハイリスクがつきものです。レバレッジのデメリットを理解し上手に付き合っていくことがFXで稼ぐための秘訣なのです。初心者は低レバレッジで取引をしましょう。続きを見る
なぜレバレッジで大損するのかは後ほど紹介します。
株式投資とFXの違い
FXと株式投資との違いは主に、投資対象と取引時間です。株式投資の投資対象は個別の会社の株式ですが、FXは世界各国の通貨です。
また、株式投資の取引時間はお昼休み(11時30分~12時30分)を除く平日9時~15時ですが、FXは平日24時間で土日も相場は動きます。
株とFXの違いについてはこちら
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株とFXの6つの違いとは?最低限知るべきメリット・デメリット
投資の中でも人気のある「株」と「FX」。この2つはどのような違いがあるか知っていますか?時間効率と資金効率がFXの方が数倍もいいのが特徴です。FXは24時間いつでも取引ができ、売りからでも買いからでもどちらでも利益を出せます。資金が少ない人はFXが有利です。続きを見る
FXには借金を防ぐ2つの仕組みがある
FXには借金を防ぐために2つの仕組みがあります。なぜなら、口座の証拠金以上の損失が出ることを防げるからです。
FXで借金を防ぐための仕組み
- ロスカット
- マージンコール
それぞれの仕組みについて、以下で詳しくみていきましょう。
仕組み1:ロスカット
ひとつ目の仕組みはロスカットで、ポジションの含み損が拡大した場合に、それ以上の損失が出ないよう強制的に取引を終了させる仕組みです。
ロスカットのおかげで、大きな含み損を目の前にして冷静な判断ができなくなっても、大きな損失を防ぐことができます。
ロスカットされると証拠金の大半を失ってしまいますが、借金しなくても済むので安全です。
ロスカットは最後の砦
ロスカットはあくまでも最終手段という認識を持ちましょう。なぜなら、ロスカットを行うことで現在持っているポジションが全て強制的に決済されるからです。
言い換えると、FX会社がトレーダーの全ポジションを決済し、証拠金維持率を回復させるのです。
ロスカットされる前に対策を取るのが大事なので、具体的な対策方法について後ほど紹介します。
仕組み2:マージンコール
2つ目の仕組みは、ロスカットされる前にFX会社が警告を出す仕組みである「マージンコール」です。
マージンコールを受けてすぐに損切りをすれば、ロスカットされずに済みます。
ただし、FX会社によってはマージンコールの仕組みが無いところもあるので注意しましょう。
FXで借金をしてしまう3つの原因
FXで借金ができる原因
- 短時間で相場が急変した
- 休場中に相場が大きく動いた
- 身の丈以上の証拠金を追加した
それぞれの原因について、失敗談を交えつつ以下で詳しくみていきましょう。
原因1:短時間で相場が急変した
1つ目の原因は、短時間で相場が変動することです。
その理由は、相場の変動が早すぎてロスカットが追いつかなくなるからです。具体的な原因としては、大事件や要人発言、重要度の高い経済指標の発表が挙げられます。
経済指標カレンダーをチェックすれば、相場への影響力の大きいイベントを避けられるのでおすすめです。
相場急変の失敗談
37歳男性
リーマン・ショックが起こる前まではスワップ狙いのトレードが流行していたらしく、リーマン・ショックが起こった後は、スワップ狙いのトレーダーの多くが市場から強制退場させられたそうです。
このスワップ狙いのトレードのリスクの大きさを私は把握できておらず、内心「もうそんなことは起こらないだろう」と気の緩みがあったと思います。
参照元失敗談⑧|スワップ狙いの落とし穴〜トルコリラ・ショック〜原因2:休場中に相場が大きく動いた
2つ目の原因は、土日に相場が大きく変動することです。
なぜなら、注文が出せない土日にレートが大幅に変動すると、週明けの取引再開のときに損失が出るからです。
例えば、金曜日にポジションを持ち越して、土日の間に北朝鮮のミサイル発射や中東でのクーデターが起こり、週明けに強い円高になるケースが考えられます。
週末にはポジションを持ち越さないようにしましょう。
休場中の失敗談
36歳男性
原因3:身の丈以上の証拠金を追加した
3つ目の原因は、身の丈以上の証拠金を追加したことです。
なぜなら、最初からレバレッジを大きく効かせて大儲けしようとしたり、早く負けを取り返そうと焦るからです。
余剰資金で足りなくなると、生活資金を削ったり、他人から借金してFXをするようになってしまいます。生活に支障が出ると本末転倒なので、必ず余裕資金でFXをするべきです。
証拠金の失敗談
40歳男性
FXは勝率100%ではない
借金しないポイントは損小利大
借金しないポイントは、利小損大のトレードをしないことです。
なぜなら、高い勝率でコツコツ積み上げた利益も、たった1回の大損で全て吹き飛んでしまうからです。
損小利大に従って「損失を最小限に食い止めて、利益を伸ばす」トレードを心がけましょう。
具体的には、損失が出そうなポジションは早めに損切りし、利益が出そうなポジションを伸ばし、9回負けても1回でその分を巻き替えるトレードが大切です。
FXで借金を負わないための3つの対策
FXで大損して借金を負わないための3つの対策を紹介します。
FXで借金を負わないための対策
- 損切りルールを決める
- レバレッジをかけすぎない
- 土日を挟んでのポジションは持たない
それぞれの対策について、以下で詳しくみていきましょう。
対策1:損切りルールを決める
1つ目の対策は、損切りルールを決めることです。
なぜなら、前もって決めた損切りラインで逆指値注文を入れておくことで、ロスカット前に大きな損失を防げるからです。
例えば、現在のレートが1米ドル円=100円だった場合、99円に下がったら損切りしたい時に逆指値注文を使えば、損失を1円に抑えることができます。
対策2:レバレッジをかけすぎない
2つ目の対策は、レバレッジをかけすぎないことです。
その理由は、レバレッジを抑えることで、為替変動による損失額を抑えられるからです。
レバレッジをたくさん効かせて取引量を上げるほど、利益が出たときに多くお金がもらえるものの、損失が出ると損失額も多くなります。
そのため、初心者は最高でも4倍までに抑えるほうがいいです。
対策3:土日を挟んでのポジションは持たない
3つ目の対策は、土日をまたいでポジションを保有しないことです。
なぜなら、相場に影響を与えるイベントが土日に起きても、決済取引ができないからです。
金曜日の営業日が終了する土曜日の午前6時(冬時間は7時)までに決済しておくことで、土日に大きく為替が変動しても損失が出る心配はなくなります。
FXで借金ができてしまったときの対処方法3つ
FXで借金ができてしまったときの対処方法
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれの対処方法について、以下で詳しくみていきましょう。
方法1:任意整理
1つ目の方法は任意整理で、債権者との話し合いにより借金の利息や月々の支払額を減らせる方法です。
借金の額が大きくなければこの方法を使うのが最適で、裁判所を通さないので手続きが簡単です。
しかし、任意整理には以下の2つのデメリットがあります。
任意整理のデメリット
- 信用情報機関のリストに登録される
- 大きく額を減らせない
それぞれのデメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。
デメリット1:信用情報機関のリストに登録される
1つ目のデメリットは、任意整理をすると信用情報機関のリストに登録されることです。
その理由は、キャッシュカードが作れなくなったり、ローンが組めなくなったりするからです。
他にも、携帯電話の端末を分割で購入できなくなったりと、数年間生活に支障が出てしまいます。
何年か過ぎればリストからは消えて、借り入れができるようになるものの、最低でも5年は生活に支障が出る覚悟が必要です。
デメリット2:大きく額を減らせない
2つ目のデメリットは、任意整理だけでは借金の額を大きくは減らせないことです。
なぜなら、個人再生や自己破産に比べて、任意整理は借金を減額される額が少ないからです。
そのため、借金の額が大きい人は任意整理では解決できないので、次に紹介する個人再生を行うしかありません。
方法2:個人再生
2つ目の方法は個人再生で、裁判所を通じて借金の額を5分の1まで減らせる方法です。
任意整理では解決できない程度の借金を負っている場合に効果的だからです。個人再生は、後ほど紹介する自己破産とは違い、家財や家を手放さなくて済むメリットがあります。
しかし、個人再生には以下の3つのデメリットがあるので注意しましょう。
個人再生のデメリット
- 信用情報機関のリストに登録される
- 返済ができる収入がないとできない
- 官報に名前や住所が載る
それぞれのデメリットについて、以下で詳しく解説します。
デメリット1:信用情報機関のリストに登録される
1つ目のデメリットは、任意整理と同様、数年間生活に支障が出てしまうことです。
なぜなら、信用情報機関のリストに金融事故情報として登録されるからです。
具体的には、任意整理でも紹介したとおりキャッシュカードが作れなくなったり、ローンが組めなくなります。携帯電話の端末も分割で購入できなくなるので、機種変更が難しくなります。
デメリット2:返済ができる収入がないとできない
2つ目のデメリットは、借金を返済できる収入がないと個人再生ができないことです。
その理由は、個人再生は借金の帳消しではなく、あくまでも減額だからです。
収入がなかったり、生活が苦しくて毎月返済できない場合には個人再生が使えないため、自己破産せざるを得なくなります。
デメリット3:官報に名前や住所が載る
3つ目のデメリットは、国の機関紙である官報に名前や住所が載ることです。
なぜなら、個人再生したことが世間に知れ渡ってしまう可能性があるからです。
しかし、官報を読む人は信用情報機関や市町村の税担当者、闇金業者など限られています。インターネットでも30日分しか無料で読めないので、一般人にバレる心配はほとんどありません。
ただ、2019年に官報に関する事件があったので、次の自己破産の項目で紹介します。
方法3:自己破産
3つ目の方法は自己破産です。全ての借金の支払いが免除されます。
ただし、自己破産は生活が相当困難な状況にある人に限っての最終手段といえます。自己破産には以下の4つのデメリットがあることに注意してください。
自己破産のデメリット
- 信用情報機関のリストに登録される
- 家財を失う
- 職業制限を受ける
- 官報に名前や住所が載る
それぞれのデメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。
デメリット1:信用情報機関のリストに登録される
1つ目のデメリットは、任意整理や個人再生と同様、信用情報機関に名前が載ることです。
なぜなら、自己破産すると数年間生活に支障が出るからです。キャッシュカードが作れなくなる、ローンが組めなくなる、携帯電話の端末を分割購入できなくなるといった影響が出ます。
最低でも5年はそのような状態になる覚悟が必要です。
デメリット2:家財を失う
2つ目のデメリットは、生活必需品以外の家財を全て失ってしまうことです。
なぜなら、民事執行法第131条に基づいて、生活必需品以外の不動産や車は、差し押さえられた上で清算されるからです。
ただ自己破産したからといって、無一文になる訳ではないので安心してください。
デメリット3:職業制限を受ける
3つ目のデメリットは、職業制限を受けることです。
自己破産すると特定の職業に就けなかったり、その職業に必要な資格が無効と同じ扱いになります。具体的には、以下の職業が制限を受けます。
職業制限を受ける職業の例
- 弁護士 (弁護士法第七条 五)
- 税理士 (税理士法第四条 三)
- 警備員 (警備業法第三条 一)
これ以外の職業も制限を受けますが、自己破産の手続き期間中だけであり、また自己破産を理由に解雇されることもありません。
デメリット4:官報に名前や住所が載る
4つ目のデメリットは、国の機関紙である官報に名前や住所が載ることです。
なぜなら、自己破産したことが世間に知れ渡ってしまう可能性があるからです。
しかし、官報を読む人は限られており、インターネットでも30日分しか無料で読めないので、大きな心配はいりません。
2019年3月に起きた「破産者マップ」事件は異例のことで、弁護団や政府の個人情報保護委員会もサイトを閉鎖するよう対応をしたので、心配する必要はありません。
FXで自己破産ができない?
FXで作った借金で自己破産をしようとした場合、任意整理や個人再生とは違う問題が発生します。
その理由は、自己破産をする際に、破産をするだけではなく裁判所からの免責許可が下りなければ借金がなくならないからです。
問題について詳しくは次の項目で紹介します。
FXは免責不許可事由に入る
FXは免責不許可事由に含まれており、免責されない可能性があります。
なぜならFXや株式取引、先物取引は、破産法二百五十二条一項四号に定める「浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」の「射幸行為」に含まれるからです。
免責されなければどうなるかは以下で詳しく解説します。
免責許可が下りなかった場合
免責許可が下りなかった場合は、借金がなくなりません。
なぜなら、借金をなくすためには免責許可が必要だからです。
しかし、2017年の日本弁護士連合会の調査によると、96.77%という大半の人が免責許可が下りており、免責不許可になっているのは0.57%だそうです。
裁判所からの取り下げを含めると実質3%ですが、申請内容を偽装したり、何回も自己破産を申請したりしない限りは免責許可が出やすい傾向にあります。
弁護士へ相談しよう
自己破産を考えることになったら、弁護士に相談するのがおすすめです。
なぜなら、自己破産以外にも任意整理や個人再生で借金を減らす方法を見つけてもらえる可能があるからです。
無料で相談を受け付けている弁護士もいるので、一人で悩まずに弁護士に相談してみましょう。
FXの失敗で借金まとめ
上記で紹介した「FXで失敗して借金しない方法」を実践すると、今後は失敗する原因が知りたいと悩むことは一切なくなり、失敗しないように対策したうえでFXができます。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
この記事のまとめ
- FXで失敗するのは、大損・借金して破産するのではないこと
- リスクを抑えて安全に取引するために、損小利大を意識しながら余剰資金でFXをすること
- 損切り、レバレッジ、曜日を気にして取引すれば、大きな損失を出さずに済むこと
「最初に大きく稼いだお金でFXをしたい」と最初は思うかもしれませんが、経験の浅い初心者が最初から大きな取引をすると損失を出す可能性が高いので、余剰資金で安全に取引してください。